晩夏の経絡養生

◎ 晩夏は湿によるトラブルが起こりやすい
晩夏は湿気の影響で「湿〔しつ〕」の「邪〔じゃ〕」が体に入ります。東洋医学の古来からの教えで、腎は先天の本〔もと〕(生まれながらの気)、脾は後天の本(食べ物などから生命力を補充する)といわれ、2つが合わさり生命力が目覚め活性化します。

脾の5つの働き
脾は気・血・津液を巡らせて気の働きを補助します。

①水穀〔すいこく〕の気を取り出す……食べ物から気を取り出す
②化生作用……食べ物から取り出した水穀の気を材料にして気・血・津液を作る
③運化作用……化生作用で生成した気・血・津液を全身に運ぶ
④昇清作用……水穀の気を肺に運ぶ。これは気の生成に利用される
⑤統血作用……血を一定方向に巡らせる

脾は「喜燥悪湿〔きそうあくしつ〕」といい、乾燥が好きで湿気が嫌いです。脾の働きが低下すると水分が体内に滞り、流れが悪くなります。湿度が高い季節は、体を意識して動かすことで流れをよくしたいですね。

五行で対となる臓器は胃です。胃は消化液で食べ物を粥状にして小腸に送ります。常に水分があり湿度が保たれていますが、体外での湿度が高い季節は湿気が過剰になり、内湿が生じて働きが低下します。湿の不調ですね。

湿以外からの不調もあります。甘味には、気や血を補ってくれる「補気」や「補血」という働きがありますが、多すぎると湿をためる性質があります。冷たい物も湿を増やします。アイスや氷菓は少量を楽しむ程度がお勧めです。

湿の不調は、胃もたれや食欲減退、消化不良、お腹が張る、下痢、軟便・貧血など。また、疲れやすい、だるい、肌のたるみ、あざができやすいなどの症状が特徴です。疲れのせいでだるいのか、湿による体調不良のせいなのか、あるいはその両方なのか。判断は難しいですね。

◎ 晩夏は脾と胃のツボで経絡養生
季節ごとに現れる症状や不調には、経絡養生に落とし込んで体を養生してみましょう。経絡養生とは東洋医学の考え方であり、経絡の流れを促すことで血行をよくしていく健康法です。経絡はツボとツボの間を結ぶ通路で、全身に張り巡らし気・血・水などを循環させています。
自分でも気軽にできる経絡養生として、脾と胃のツボを刺激したり、経絡を意識してヨガのポーズをしてみましょう。ポーズを取らなくても、経絡のラインをさするだけでもいいですよ。

【脾の経絡】
足の親指の先のツボ隠白〔いんぱく〕から脚の内側を通り、
足の付け根、腹、胸と上がり、胸の脇の下、大包〔たいほう〕まで。
大包から先は、体内の脾臓へとつながる、手では触れないところです。

【胃の経絡】
目の下のツボ承泣〔しょうきゅう〕から、あご〜おでこ(こめかみよりも少し上くらい)
まで行き、あごとおでこを何度か行き来してから、
のど〜鎖骨〜乳頭〜へその横〜足の付け根〜足の前面を通り、
足の第二指のツボ厲兌〔れいだ〕まで、体の前側のライン